令和3年2月1日
国立大学法人東京大学

東京大学 放射線科学連携研究機構 設置のお知らせ

1.発表概要

 国立大学法人 東京大学 アイソトープ総合センター、工学系研究科、理学系研究科、農学生命科学研究科、薬学系研究科、情報学環、総合研究博物館は、卓越した放射線科学を推進することで、分野横断的な若手の交流ならびに放射線関連分野の人材育成に貢献するため、「放射線科学連携研究機構(機構長:東京大学 アイソトープ総合センター長・理学系研究科教授 鍵裕之)」を2月1日付で新設いたしました。

2.放射線科学連携研究機構の目的

 東京大学では、各研究科が独自の研究を発展させる中で、放射線関連の研究を発展させてきました。その結果、学内には放射線に関わる多様な教育と研究の資源が生み出され蓄積されています。一方、各放射線関連研究は独立に発展してきた分野もあるため、相互交流等に不十分な部分があったことは否めません。そこで学内の関連研究科・研究者が連携する放射線科学連携研究機構を設立し、当該分野の飛躍的発展に貢献することを目指すことといたしました。今後は研究科の垣根を超え、合同シンポジウムの開催による情報共有や交流促進、学内外共同研究の推進、放射線教育プログラムの開発と実施、若手人材の育成、国内外への情報発信、産学官共同研究等の推進等を行ってまいります。

3.放射線科学連携研究機構の特徴

 本機構は国内外の機関とも連携し先端的放射線研究等に取り組んでまいります。従来の研究科や専門分野の枠を超えた真に卓越した放射線関連研究を推進することを目的に、先端イオンビーム科学や加速器科学の推進、イオンビーム等を用いた極限環境下の物質構造の解明や物質の構築原理の解明、放射線を活用した地球惑星科学の推進、新しい原理の放射線測定器の開発、同位体分離精製手法の研究開発、RI製造技術の開発研究、放射性医薬品開発を目指した放射線検出器や化合物送達技術の開発、放射線生物影響の解明、放射性同位体の環境動態の解明、年代測定などを活用した人文社会科学系分野への貢献等を行う予定です。

4.社会との連携

 本機構は実社会と連携した研究にも取り組みます。例えば放射線災害からの農業再生の取り組み、原子力発電所事故由来の放射性物質の環境動態の解明と効果的除染技術の開発、放射線安全リスクコミュニケーション研究などを行う予定であり、特に主要な研究フィールドのひとつとなる福島県内の教育研究機関等や自治体とは連携して福島復興に資する放射線研究・教育に取り組んでいく所存です。

5.問い合わせ先:

東京大学 アイソトープ総合センター
庶務係 油井聡
TEL: 03-5841-2881 FAX: 03-5841-3049
Mail: syomu.ric@gs.mail.u-tokyo.ac.jp

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